この記事のポイント

  • 遺産の合計が「3,000万円+600万円×相続人の数」以下なら、相続税はかからない
  • 相続税の税率は10%〜55%。もらった金額にそのまま税率をかけるわけではない
  • 親と住んでいた家の土地は、条件しだいで評価を80%下げられる特例がある
  • 相続した家は、相続を知った日から3年以内に登記する義務がある

親が亡くなって実家を相続することになったら、「税金でどれくらい持っていかれるんだろう」と不安になるかもしれません。 でも実は、相続税がかかる人は一部で、遺産の金額によってはまったくかからないこともあります。 この記事では、相続税のきほんと、実家を相続したときに知っておきたいことを、やさしく説明します。

相続税がかかるかどうかは「基礎控除」で決まる

相続税には「基礎控除」という、税金がかからない枠があります。 遺産の合計(借金などを引いたあと)がこの枠の中におさまれば、相続税はかからず、申告も必要ありません。

基礎控除の計算

3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人基礎控除
1人(例:子ども1人)3,600万円
2人(例:子ども2人)4,200万円
3人(例:配偶者と子ども2人)4,800万円

たとえば、子ども2人が相続人で、遺産が実家と預金をあわせて4,000万円なら、基礎控除の4,200万円以下なので、相続税はかかりません。

枠を超えたら、どれくらいかかる?

基礎控除を超えた部分に、相続税がかかります。税率は、金額に応じて10%から55%まで段階的に上がります。 ただし、もらった金額にそのまま税率をかけるのではなく、いったん法律で決まった割合(法定相続分)で分けたと考えて計算します。

法定相続分で分けた1人あたりの金額税率控除額
1,000万円以下10%−
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

計算例:子ども2人が、遺産6,000万円を相続

  • 基礎控除:3,000万円+600万円×2人=4,200万円
  • 税金がかかる部分:6,000万円−4,200万円=1,800万円
  • 1人あたり(半分ずつ):900万円 → 10%で90万円
  • 相続税の合計:90万円×2人=180万円

実際の計算では、財産の評価のしかたや、使える特例によって金額が変わります。

実家の土地は、評価を下げられる特例がある

相続税は、土地や家の「評価額」をもとに計算します。 亡くなった親が住んでいた家の土地を、配偶者や同居していた子どもなどが相続する場合は、条件を満たせば、 330㎡までの部分の評価額を80%下げられる特例(小規模宅地等の特例)があります。

たとえば評価額5,000万円の土地(330㎡以内)なら、1,000万円として計算できることになり、相続税が大きく下がることがあります。 ただし、この特例を使うには、相続税が0円になる場合でも申告が必要です。

配偶者は1億6,000万円まで税金がかからない

亡くなった人の配偶者が相続する場合は、1億6,000万円か、法定相続分のどちらか多い金額までは、相続税がかからないしくみ(配偶者の税額軽減)があります。 これも、使うには申告が必要です。

申告と納税の期限は10か月

相続税がかかる場合は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に、申告と納税をします。 遺産の分け方を家族で話し合うのにも時間がかかるので、早めに財産を確認しはじめましょう。

相続税のほかに知っておきたいこと

相続した家は、3年以内に登記する義務がある

2024年4月1日から、相続で家や土地を受け取ったら、相続したことを知った日から3年以内に登記することが義務になりました。 正当な理由なく登記しないと、10万円以下の過料がかかる可能性があります。 2024年4月より前に相続した家も対象で、2027年3月31日までに登記が必要です。 登記のときは、登録免許税(相続の場合は評価額の0.4%)がかかります。

不動産取得税はかからない

家や土地を買ったときにかかる不動産取得税は、相続で受け取った場合はかかりません。

固定資産税は毎年かかる

相続した家に住まなくても、持っている限り、毎年固定資産税がかかります。 空き家のまま持ち続けるか、売るか、貸すかは、早めに家族で決めておきましょう。 くわしくは固定資産税ってなに?で説明しています。

相続した実家を売るなら

相続した空き家を売る場合は、条件を満たすと、売った利益から最高3,000万円を差し引ける特例もあります(期限あり)。 くわしくは家を売るときの税金の落とし穴をご覧ください。

また、親が元気なうちに、実家をどうするか家族で話しておくことも大切です。 親が認知症になると、実家を売れなくなることもあります(親が認知症になると実家を売れない?)。

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別にかかる費用
契約書を作る弁護士、登記をする司法書士の費用など

親の家を、将来売ったり貸したりできるようにしておきたい

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相続税の計算は、財産の内容や家族の状況で大きく変わります。実際に相続が起きたときは、税務署や税理士に相談しましょう。

よくある質問

Q相続税の申告はいつまでですか?

A国税庁によると、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内に申告と納税をします。

Q相続税がかからない場合も、申告は必要ですか?

A遺産の合計が基礎控除の範囲内なら、申告も納税も必要ありません。ただし、家の土地の評価を下げる特例や、配偶者の税額軽減を使って税金が0円になる場合は、申告が必要です。

Q実家を相続しないとどうなりますか?

A相続を放棄すると、家だけでなく預金などのほかの財産も受け取れなくなります。放棄には期限があるので、迷うときは早めに専門家に相談しましょう。

参考にした公式情報

記事の内容は更新日時点の一般的な情報です。税金や手続きの条件は、個別の事情や時期によって変わります。 最新の内容は国税庁・自治体などの公的機関や、各サービスの公式サイトでご確認ください。税金の判断に迷うときは、税務署や税理士に相談しましょう。